Z世代向け研修のやり方|伝わらない理由と改善策
結論|Z世代向け研修は「気合」ではなく「設計」で決まる
最初に結論からお伝えしましょう!
Z世代向けの研修がうまくいかない原因は、
- 若手のやる気不足
- 根性が無い
といった問題ではありません。
ではなぜZ世代向けの研修が上手くいかないのかというと、
研修の設計が、Z世代の前提とズレている
ことが問題です。
Z世代は、
- 成長したい気持ちはある
- ただし、意味がわからないことはやらない
- 納得できない指示には動けない
という特徴を持っています。
だからこそ必要なのは、
叱ることでも、気合を入れることでもなく、
「伝える順番」と「安心できる前提」を整えることです。
この記事を読むことで、
なぜZ世代向け研修が伝わりにくいのかが整理できます。
この記事を参考に、
今の研修に取り入れられそうなところから試してみてください!
Z世代はなぜ「正解が見えない状態」を不安に感じるのか

Z世代向け研修がうまくいかないとき、
「最近の若者は不安が強い」と感じる場面は少なくありません。
ただ、その不安は性格の問題ではなく、
育ってきた環境と、評価のされ方が変わった結果なんです。
Z世代は、
- 何をすれば評価されるのか
- どこまでできれば合格なのか
- 失敗したらどう扱われるのか
が、あらかじめ示される環境で学んできました。
たとえば学校のレポート課題では、
- 「何文字以上」
- 「どんな構成」
- 「どこが評価ポイントか」
が、最初から示されていることがほとんどです。
Z世代は、こうした
「どこまでやれば合格かが最初にわかる環境」
で学んできました。
そのため、
- 「まずやってみよう」
- 「見て覚えて」
といった言葉は、
正解が見えない不安な状態として受け取られやすくなっています。
この前提を知らないまま研修を行うと、
「伝えたのに動かない」「指示待ちが多い」
といったズレが生まれやすくなってしまうのです。
なぜZ世代向け研修は「伝わらない」と感じやすいのか

ここからは、現場でよく起きている
「伝わらない理由」を整理していきましょう。
世代論で片付けるのではなく、
研修のどこにズレがあるのか
を見ていきましょう。
理由①|「まずやってみよう」が通じない
これまでの研修では、
- とりあえずやってみる
- 失敗しながら覚える
- 先輩の背中を見て学ぶ
という教え方が当たり前でした。
しかしZ世代は、
- なぜやるのか
- どこまでできればOKなのか
- 失敗したらどうなるのか
が見えない状態に、強い不安を感じます。
これはZ世代に限った話ではありません。
最近は30代・40代でも、YouTubeやSNSで
「正解」や「やり方」を先に確認できる環境が整っています。
そのため、新しいことに取り組むとき、
「まずやってみる」よりも
先に答えを見てから動く習慣が身についている人も増えています。
ただ、より幼少期からこの環境で育ってきたZ世代にとっては、
「まずやってみよう」という言葉が、
正解が示されないまま放り出された指示
のように聞こえてしまうことがあります。
理由②|ゴールが曖昧なまま話している
研修担当者側では、
- しっかり説明した
- 一通り話した
- 資料も用意した
という感覚があっても、
Z世代側では次のように感じていることがあります。
- 結局、何ができればいいのかわからない
- どこまで覚えればOKなのかわからない
- 正解が見えない
「意識してほしい」「理解してほしい」だけでは、
行動のゴールが設定されていません。
言われてみれば、ゴールをはっきり伝えていないかも…
そう感じた方もいるかもしれません。
ただ、問題はまだ続きます。
理由③|一回で伝えきろうとしている
Z世代は、YouTubeやSNS、
とくにショート動画を日常的に使う環境の中で、情報を
- 短い単位で受け取る
- 必要なときに見返す
という学び方に慣れています。
その影響もあり、
一つの話を長時間聞き続けるより、
要点を区切って理解するほうが得意な傾向があります。
そのため、
- 長時間の座学
- 一度きりの説明
- 情報量が多すぎる研修
は、内容以前に処理しきれない状態を生みやすくなります。
「聞いたはずなのに動けない」のは、
本人の能力ではないのです。
研修の伝え方や設計の問題
であることが少なくありません。
これは集中力が低いという話ではなく、
集中の「持続時間」や「使い方」が変わってきている、
という捉え方が適切です。
ここまで読むと、
うちの研修、かなり当てはまっている…
と感じたかもしれません。
でも安心してください。
原因がわかれば、やるべきことはシンプルです。
Z世代向け研修に切り替えるための改善策

Z世代向け研修に必要なのは、
特別なツールや最新ノウハウではありません。
「伝える順番」と「安心できる前提」
この2つを整えるだけで、研修の手応えは大きく変わります。
ここからは、
Z世代向け研修に切り替えるための改善策を見ていきましょう!
改善策①|最初に「ゴール」を言葉にする
Z世代向け研修で、まずやるべきことはこれ。
この研修が終わったら、何ができるようになるのかを先に伝える
例えば―
- この研修が終わったら、1人で〇〇対応ができる状態になります
- 今日のゴールは、△△をミスなくこなせるようになることです
このようにゴールがはっきりしていると、
受講者は
- 「どこを聞けばいいのか」
- 「何を覚えればいいのか」
を意識しながら話を聞けるようになります。
その結果、
ただ何となくメモを取るのではなく、
ゴールに関係する部分だけを選んでメモするようになります。
また、
「これができればOK」という基準が見えていることで、
自分が今どの位置にいるのかを把握しやすくなり、
不安も必要以上に感じにくくなります。
改善策②|「やり方」より先に「理由」を伝える
Z世代にとって重要なのは、
手順よりもなぜそれをやるのかです。
- なぜこの順番なのか
- なぜここを省くとトラブルになるのか
- なぜ会社として大事にしているのか
理由がわかっていれば、
多少マニュアルと違う場面でも、
「なぜそうするのか」を基準に判断できます。
たとえば料理で、
弱火で加熱する理由がわかっていれば、
火力や器具が変わっても調整できます。
一方で理由を飛ばしてしまうと、
少し条件が変わっただけで
「どう動けばいいかわからない」状態になりやすくなってしまうのす。
改善策③|失敗していい範囲をはっきりさせる
Z世代は、
- 失敗=怒られる
- ミス=評価が下がる
というイメージを強く持っています。
その結果、
- 挑戦しない
- 無難な行動しかしない
- 判断を止めてしまう
という状態になりがちです。
そこで必要なのが、
失敗していいラインの言語化です。
例えば―
- お客さんに影響が出る前ならOK
- 社内で止まる失敗はOK
- 隠すのはNG
この線引きがあるだけで、
ここまでは試していい!
と判断できるようになり、
行動への迷いが少なくなります。
その結果、
失敗を恐れて止まるのではなく、
まず動いてみる行動が増えていきます。
さらに、
失敗しても隠さずに共有していい範囲が明確になるため、
報連相も「怒られないための連絡」ではなく、
次につなげるための相談へと変わっていきます。
改善策④|一度で覚えさせない設計にする
Z世代向け研修では、
- 1回で完璧に覚えさせない
- 後から確認できる前提で進める
ことが重要です。
たとえば、
- 手順を短い資料に分ける
- 研修後に確認用の資料や動画を渡す
- 忘れても見返せる環境を用意する
これだけで、
研修後の不安や質問はかなり減ります。
改善策⑤|「正解」を具体的に見せる
Z世代は、
- 合っているかわからない
- これでいいのか不安
という状態が続くと、行動が止まってしまいます。
そのため、効果的な方法として
- 良い例
- ダメな例
- よくあるミス
を、できるだけ具体的に見せることです。
さらに、文章だけで伝えにくい部分は、
- 図
- 箇条書き
- 短い動画
で補うと、理解が早くなります。
こうして正解のイメージが共有されることで、
判断に迷う時間が減り、
行動に移るまでのスピードも上がっていきます。
Z世代向け研修は「甘やかし」ではない

ここまで読むと―
Z世代に合わせすぎでは?
昔より厳しさが足りないのでは?
と感じた方もいるかもしれません。
ただ、Z世代向け研修で行っている工夫は、
決して甘やかしではありません。
ポイントは、
精神論を減らし、判断材料を増やしているだけ
という点なんです。
「考えなくていい研修」になっているわけではない
誤解されやすいのですが、
- ゴールを示す
- 理由を伝える
- 失敗していい範囲を明確にする
という研修の設計は、
「何も考えなくていい研修」ではありません。
むしろ逆で、
自分で判断できるように、
判断の基準を先に示している状態です。
ゴールや理由があるからこそ、
マニュアル通りではない場面でも、
「この状況ではどう動くべきか」を考えられるようになります。
厳しさを「感情」ではなく「基準」で伝えているだけ
これまでの研修では、
- 空気を読め
- 常識で考えろ
- 察して動け
といった、
基準が見えない厳しさが多くありました。
Z世代向け研修では、
この部分を、
- ここまではOK
- ここからはNG
- こうなったら必ず相談
というように、
言葉で見える形にしているだけです。
厳しさをなくしたのではなく、
曖昧さを減らしていると言えます。
結果として「自分で動ける人」が育ちやすくなる
ゴール・判断基準・失敗の範囲が明確になることで、
- 行動をためらう時間が減る
- 報連相が早くなる
- 試行錯誤の回数が増える
といった変化が起きます。
これは、
言われたことだけをこなす人を増やすのではなく、
自分で考えて動ける人を育てるための設計です。
世代に関係なく、今の現場に合ったやり方
さらに言えば、
この考え方はZ世代に限ったものでもありません。
チャットや業務システムなど、
ITツールが増えたことで作業自体は早くなりました。
ただその一方で、
「どのツールで、どこまで対応するのか」を
個人が判断する場面が増え、
業務全体は以前より複雑になっています。
実際の職場では、次のような変化が起きています。
- 業務の流れが複雑になっている
- その場での判断スピードが求められている
- 一つのミスが与える影響が大きくなっている
その結果、
判断に迷う時間が業務のボトルネックになったり、
小さな判断ミスが大きなトラブルにつながったりする場面も増えています。
こうした今の職場環境では、
Z世代かどうかに関わらず、
誰にとっても「判断基準が見える研修」のほうが成果につながりやすい
という側面があります。
Z世代向け研修は、
若手だけの特別対応ではなく、
今の時代に合った研修設計と言えるんです。
まとめ|Z世代向け研修は「伝え方」を変えるだけでいい
Z世代向け研修がうまくいかないとき、
世代の違いだけで片付けてしまうのはもったいないです。
必要なのは、
- ゴールを先に示す
- 理由を丁寧に伝える
- 失敗していい範囲を明確にする
- 一度で覚えさせない設計にする
この4つだけです。
研修を
「気合で乗り切る場」から
安心して学べる場に変えるだけで、
Z世代の反応は驚くほど変わります。
「全部変えなきゃ」と思わなくて大丈夫です!
小さな見直しから始めてみてください。
研修内容を一度、整理してみませんか?

研修内容を整理するところから、一緒に考えるお手伝いもしています。
- 何を教えるか
- どこまでやるか
- どう進めるか
研修を考える中で、
ここが曖昧なまま進んでしまうケースはとても多いです。
その結果、
- 「伝えたつもりだった」
- 「現場で行動が変わらなかった」
という声もよく聞きます。
まずは、今の研修内容や悩みを言葉にして整理するところからで大丈夫です。
まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。
この研修、どう組み立てればいいんだろう?
そう感じたタイミングが、見直しを始めるベストなタイミングです。
お気軽にご相談ください。