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研修の外部講師で失敗しない選び方|中小企業の担当者向け完全版

  
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研修の外部講師で失敗しない選び方|中小企業の担当者向け完全版

結論|外部講師選びで失敗する原因は「講師」ではない

外部講師の選び方で失敗する原因は、「講師の能力不足」だけではありません。

失敗の多くは、

研修の目的や役割分担を決めないまま依頼してしまうこと

が原因です。

この記事では、中小企業の研修担当者に向けて、

  • なぜ外部講師選びは失敗しやすいのか
  • よくある失敗パターン
  • 失敗しない外部講師の選び方・探し方

を、現場目線でわかりやすく解説します。

この記事で外部講師選びで大事なポイントを知れば、失敗することはほとんどなくなります!


なぜ外部講師選びは失敗しやすいのか?

外部講師を探す場合、研修担当者は次のような3つの不安が生まれやすくなります。

  • どんな基準で選べばいいかわからない
  • 相場がわからず、金額の妥当性を判断できない
  • 失敗した場合の責任が重く感じる

特に中小企業では、研修専任の担当者がいないことも多く、

  • 「前例がない」
  • 「相談できる人がいない」

といった状態で進めるケースが少なくありません。

その結果、何を基準に選べばいいかわからないまま、講師を決めてしまいます。


「講師に任せれば何とかなる」という誤解

外部講師を依頼するとき、よくある考え方が

プロに任せれば、いい研修になるはず

というもの。

ただし、これは半分正しく、半分は危険です。

講師は研修の進行や専門知識の提供は得意ですが、

  • 自社の現場事情
  • 受講者のレベル差
  • 上司や経営層の期待

まで完全に把握しているわけではありません。

講師任せにしてしまうと、

話はよかったけれど、現場では活かされない研修

になりやすくなります。


外部講師選びでよくある失敗パターン

外部講師選びの失敗は、講師の能力不足が原因とは限りません。

多くの場合、選び方そのものに偏りがあることが原因です。

ここでは3つの失敗を具体的に見ていきましょう!


失敗① 実績や肩書きだけで選んでしまう

外部講師探しの為に、HPやSNSを見ていると下記のような肩書を多く目にすると思います。

  • 「有名企業での登壇実績あり」
  • 「書籍出版経験あり」

こうした実績は魅力的に見えます。

ただし、実績が豊富でも、
自社の規模や課題に合っているとは限りません。

大企業向けの研修経験が豊富な講師が、
中小企業の現場課題にフィットするとは限らないのです。

しかしここでこう思ったのではないでしょうか?

  • 「それって印象論では?」
  • 「有名講師のほうが安心じゃない?」

しかし、実際に大企業と中小企業では、組織規模や役割分担、
現場で求められる判断の幅が大きく異なります。

そのため、内容は正しくても、
自社の現場でどう行動すればいいのかが見えにくくなることがあります。


失敗② 料金の安さだけで判断してしまう

外部講師を探す上で、
予算という制約がある中で、料金は重要な判断材料です。

ただし、

  • 「安いから安心」
  • 「高いから安心」

このように判断するのはどちらも危険です。

重要なのは、
その金額に何が含まれているのかを理解することです。

  • 事前打ち合わせの有無
  • カスタマイズ対応の範囲
  • 資料作成の有無

これらを確認せずに決めてしまうと、
「思っていた内容と違った」という不満が生まれやすくなってしまいます。


失敗③ ゴールを決めないまま依頼する

  • 「意識づけをしたい」
  • 「理解を深めたい」

研修を行う上で、こうした目的はよくありますが、
これだけでは研修のゴールとしては不十分です。

研修後に、

  • 何ができるようになっていれば成功なのか
  • どんな行動が変わっていればよいのか

ここまで言語化できていないと、講師側も内容を設計しきれません。

外部講師選びで見るべきなのは、肩書きや実績だけではありません。

研修を成功させるためには、
担当者と一緒に考えてくれるかどうかが重要なのです。

では、研修担当者として、
どんなポイントを見て講師を選べばよいのでしょうか?


失敗しない外部講師の選び方【5つのチェックポイント】

外部講師選びに、特別な知識は必要ありません。

いくつかのポイントを押さえるだけで、失敗の確率は大きく下げられます。

ここでは、研修担当者として最低限確認しておきたい
5つのチェックポイントを紹介します。


① 研修ゴールを一緒に言語化できるか

良い講師ほど、打ち合わせの早い段階で研修のゴールを一緒に整理しようとしてくれます。

たとえば、次のような質問が出てきます。

  • この研修で、現場の何を変えたいのか
  • 研修後、受講者にどんな行動を取ってほしいのか
  • 「できるようになった」と判断できる状態はどこか

一方的に「この内容でやります!」と進めるのではなく、こうした点をすり合わせながら内容を組み立ててくれる講師は、研修のズレや失敗が起きにくくなります。


② 自社の現場を理解しようとしているか

上記でもお伝えしたように、ヒアリングの姿勢は重要な判断材料になります。

  • 現場の状況を質問してくる
  • 受講者のレベル感を確認してくる
  • 業界特有の事情を聞いてくる

こうした姿勢が見える講師は、研修内容を現場に寄せてくれる可能性が高くなります。


③ 研修内容を「講師任せ」にしない設計ができるか

失敗しない研修では、
講師と研修担当者の役割がはっきり分かれています。

講師が担うのは―

  • 専門知識の整理
  • 研修当日の進行
  • 内容をわかりやすく伝える工夫

一方で、研修担当者が担うのは、

  • 現場で起きている具体的な課題の共有
  • 研修の背景や目的の説明
  • 上司や現場との調整

この役割を理解したうえで、

「どこまで講師に任せ、どこから担当者が補うのか」

を一緒にすり合わせてくれる講師は、研修の失敗が起きにくくなります。


④ 研修後のフォローまで考えているか

研修は、当日が終わってゴールではありません。

大切なのは、研修後に行動がどう変わったかを確認することです。

たとえば―

  • 研修内容を現場で実践できているか
  • 以前と比べて、ミスや対応の仕方に変化があるか
  • 上司や先輩が見て、行動の違いを感じるか

こうした点を、

いつ・誰が・どのように確認するのか

まで話題に上る講師は、
研修を「やって終わり」にせず、成果まで意識してくれていると言えます。


⑤ 価格の理由をきちんと説明できるか

金額について質問したときに、その価格で、
「どこまで対応してもらえるのか」を具体的に説明できる講師は安心できます。

たとえば―

  • 事前の打ち合わせは何回まで含まれているのか
  • 研修内容のカスタマイズはどこまで対応してもらえるのか
  • 資料作成や修正は費用に含まれるのか

こうした点を、作業内容や準備にかかる工数とあわせて説明できる場合、
価格と提供内容の認識がズレにくくなります。

逆に、価格の根拠が曖昧なまま進めてしまうと、

想定していなかった追加調整や確認が発生

し、研修担当者の負担が増えることがあります。

特に、事前準備や研修後のフォローがどこまで含まれるのかは、
事前に確認しておきたいポイントです!


外部講師の探し方|主な4つの方法と特徴

外部講師の探し方に、ひとつの正解はありません。

大切なのは、「自社の状況」「研修の目的」に合った方法を選ぶことです。

ここでは、研修担当者がよく使う
主な4つの探し方と、それぞれの特徴を整理します。


① 講師派遣会社を利用する

メリットは、条件に合った講師を探しやすい点です。

注意点としては、派遣会社が間に入るため、
講師本人との事前すり合わせが少なくなりがちな点です。

そのため、派遣会社経由の場合でも、
事前に講師本人と打ち合わせの時間を確保できるか
確認しておくことが重要です。


② 知人・他社からの紹介

実体験に基づく紹介は安心感があります。

ただし、他社でうまくいった研修が自社でもうまくいくとは限りません。

目的や課題の違いを整理したうえで検討することが重要です。

もし紹介を受けた場合でも、

  • どんな課題に対して効果があったのか
  • どんな受講者を想定した内容だったのか

を整理したうえで検討することが大切です。


③ Web検索・SNSで探す

選択肢は広がりますが、情報の見極めが必要になります。

  • 発信内容に一貫性があるか
  • 研修実績が具体的に書かれているか

表面的な情報だけで判断しないよう注意が必要です。


④ 既存取引先・制作会社経由

既に取引のあるパートナーや制作会社経由の場合、
自社の業務内容や課題を理解したうえで、研修設計から相談できるケースがあります。

単発の研修ではなく、
研修全体の流れや定着まで見据えたい場合には、相性の良い方法です。

一方で、

研修実績や講師としての専門性については、あらためて確認

することが安心につながります。


良い講師でも成果が出ないケースとは?

講師の評価が高くても、
研修成果が出ないケースは珍しくありません。

原因の多くは、冒頭でもお伝えした通り

  • 事前情報の共有不足
  • ゴールの曖昧さ
  • 現場フォローの欠如

にあります。

講師の問題ではなく、
研修設計全体の問題であることがほとんどです。


外部講師を成果につなげるために研修担当者ができること

研修担当者が意識したいポイントは次の3つです。

  • 研修の目的・背景を言語化して共有する
  • 現場のリアルな課題を伝える
  • 研修後の行動確認方法を決めておく

この準備があるだけで、
同じ講師でも研修の成果は大きく変わります。

研修の成果は、講師だけで決まるものではありません!
研修担当者の関わり方が、成果を左右するのです!


まとめ|外部講師選びは「研修設計」の一部

外部講師選びは、
研修を成功させるための通過点です。

  • 講師に任せきりにしない
  • 目的と役割を整理する
  • 成果を見据えて設計する

この考え方を持つことで、
外部講師選びの失敗は大きく減らせます。

外部講師を探す前に、まずは研修内容や目的を整理することから始めてみてください。


研修内容を一度、整理してみませんか?

研修内容を整理するところから、一緒に考えるお手伝いもしています。

  • 何を教えるか
  • どこまでやるか
  • どう進めるか

研修を考える中で、
ここが曖昧なまま進んでしまうケースはとても多いです。

その結果、

  • 「伝えたつもりだった」
  • 「現場で行動が変わらなかった」

という声もよく聞きます。

まずは、今の研修内容や悩みを言葉にして整理するところからで大丈夫です。

まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。

この研修、どう組み立てればいいんだろう?

そう感じたタイミングが、見直しを始めるベストなタイミングです。

お気軽にご相談ください。

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