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ベテランの自己流で現場が回らない理由|研修担当者が感じる違和感と整え方

  
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ベテランの自己流で現場が回らない理由|研修担当者が感じる違和感と整え方

結論|ベテランの自己流が悪いわけではない。でも、放っておくと現場は静かに乱れる

結論から書きます。

正直に言うと、
エゴや「自分は仕事ができる」と示したくて、
自己流を手放さないベテランが存在するのも事実です。

ただ―

  • 人の性格
  • 仕事の姿勢

に原因を置いた瞬間、
研修担当者として打てる手は、ほとんどなくなってしまいます。

だからこそ、
「人」ではなく「仕組み」に目を向ける必要があります。

研修担当者がやるべきことは、
正解を押し付けることでも、
自己流を否定することでもありません。

現場に散らばっているやり方を整理し、共有できる形にすること。

それだけで、現場の空気は少しずつ変わっていきます。


「悪気はないんだけど…」ベテランの自己流が問題になりやすい理由

言葉にすると些細ですが、
この違和感に最初に気づくのは、
たいてい研修担当者です。

なんとなく、噛み合っていない

その感覚が、あとからはっきりした問題に変わっていきます。


結果が出ている人の行動は「正解」に見える

ベテランは仕事が早く、ミスも少ない。

現場では頼られる存在です。

そのため、

  • マニュアルより
  • 研修資料より

目の前で動いている人の行動が、基準になりやすい。

新人からすれば、
「研修で聞いた話」より
「現場で一番動いている人のやり方」
のほうが、正しく見えるのも無理はありません。


なぜベテランの自己流は現場に広がりやすいのか

ここを理解していないと、
どんな対策をしても、うまく噛み合いません。

自己流が広がる背景には、
個人の問題では片付けられない理由があります。


暗黙の工夫が言葉になっていない

ベテランのやり方には、
長年の経験から生まれた工夫が詰まっています。

ただ、その多くは、

  • なぜそうしているのか
  • どこで判断を切り替えているのか

ということが言葉になっていません。

その結果、

  • 真似はできるが、理由が分からない
  • 少し状況が変わると、応用できない

という状態が起きやすくなります。


止めにくい空気が、現場に残っている

正直なところ、

  • 成果を出している人
  • 社歴が長い人

に対して、「そのやり方は違う」と言うのは簡単ではありません。

研修担当者とはいえ、

  • 今さら口を出していいのか
  • 現場が荒れないか

そんな迷いが出るのは自然なことです。

しかし、この遠慮が

自己流を「当たり前」にしてしまう

ということもあります。


現場では実際に何が起きているのか

大きなトラブルは起きていない。
でも、確実に何かがおかしい。

そんな状態が続いている職場は少なくありません。

研修担当者が感じる違和感は、
たいてい次の形で現れます。

  • 新人が毎回確認してくる
  • 指示待ちが増える
  • 「誰に聞けばいいですか?」が口癖になる

しかし、上記のような行動が増えたからといって
新人や若手本人たちは、とても真面目です。

ただ、教える人や場面によって言うことが変わるうちに、
自分で判断して動くのが怖くなっていきます。

その結果、判断の軸が見えなくなっているだけなんです。

この状態が続いてしまうと、

  • 研修内容が現場で使われない
  • 教育コストが下がらない
  • 小さなストレスが溜まっていく

という流れにつながります。


新人・若手が特に混乱しやすい理由

新人の立場で考えると、話はとてもシンプルです。

「どれを信じればいいか分からない」だけです。

例えばー

  • 研修ではAと教わった
  • 現場ではBのやり方が多い
  • でもCの人もいる

この環境で、迷わず動くのは難しいのは容易に想像できると思います。

そして結果として、

  • 無難な行動しかしない
  • 失敗しそうな判断を避ける
  • すぐに確認する

という行動になります。

これは決して、能力の問題ではありません。

迷わないための基準がないだけです。


ベテラン本人は、ほとんどの場合「悪くない」

ここは、意外と見落とされがちなポイントです。

自己流の背景には、現場の事情がある場合があります。

ベテランの自己流は、

  • 勝手にやりたい
  • ルールを無視したい

という反抗的な理由で行っている場合はほとんどありません。

実際には、

  • 昔のルールが今の現場に合わなくなった
  • 忙しさの中で工夫せざるを得なかった
  • 誰にも整理されないまま続いてきた

こうした積み重ねがあります。

だからこそ、
ベテランのやり方を「正しい・間違い」だけで判断すると、
話し合いがこじれやすくなります。


研修担当者がやりがちなNG対応

焦ると、つい「正論」でまとめたくなります。

研修の場で、

  • 「今日伝えた内容が正解です」
  • 「現場では、このやり方にそろえてください」

そう言いたくなる瞬間は、正直ありますよね。

しかし、
正論だけでは、現場は動かないのが現実です。

よくあるのが、

  • ルール順守の一斉通達
  • マニュアルの作り直し
  • 研修で正解だけを強調

方向としては間違っていません。

ただ、現場の忙しさや人手の状況を前提にしていないことが多いです。

その結果、

言われていることは分かるけど…

という空気だけが残ってしまいます。


改善の考え方|正解を増やすより、判断を減らす

正論を重ねても、
現場が思ったように動かないことがあることは、なんとなくイメージできたと思います。

そこで発想を少し変えてみてください。

正解を決めることではなく、
目指すのは「迷わない現場」にすることです。

自己流をなくそうとすると、
どうしても「正解を決めよう」としてしまいます。

でも現場では、

  • 正解が多すぎる
  • 人によって言うことが違う

この状態こそが、混乱の正体です。

研修担当者が最初にやるべきなのは、

  • 何がバラバラなのか
  • どこで迷っているのか

を整理することです。

ここまでで、
なぜ現場が迷いやすくなるのかは見えてきたと思います。

ここからは、
そうした混乱を少しずつ整えていくための、
具体的な改善の考え方をお伝えします。


改善策①|ベテランの自己流を「見える形」にする

ここで大事なのは、
いきなりやり方を整えようとしないことです。

  • ベテランにやり方を聞く
  • 良し悪しは判断しない
  • 「なぜそうしているか」を聞く

この段階では、
評価や指導をせずに、話を聞くことに徹します。

それだけで、

  • 暗黙の工夫
  • 危ない近道
  • 昔のルールとのズレ

が少しずつ見えてきます。


改善策②|現場ルールの「ここまではOK」を決める

この「ここまではOKライン」を決める取り組みは、
新人社員を縛るためのルール作りではありません。

たとえば、

  • 手順は多少前後してもお客さんへの説明内容はそろえる
  • 効率を優先したやり方はOKだが、トラブルが起きたときの報告ルートは統一する

といったように、
ベテランの自己流をすべて否定するのではなく、
「ここまでは任せる」「ここから先はそろえる」
その境目を言葉にする作業です。


改善策③|ベテランを「敵」にしない伝え方

伝え方ひとつで、空気は変わります。

ポイントは、

主語を「人」ではなく「困りごと」にする

ということ。

例えばー

Bさんのやり方だと、
新人の判断基準がバラバラです。

こう伝えてしまうと、言っている側に悪気がなくても、
ベテラン本人は

自分のやり方を否定された


と感じやすくなります。

一方で、

新人が、どれを基準に動けばいいのか迷っているんです。

と伝えるとどうでしょうか。

誰かを責めているわけではないのに、
現場で起きている問題は、きちんと伝わります。

主語を
「やり方」や「人」ではなく、
「新人の迷い」に置き換える。

それだけで、話し合いの空気は
大きく変わります。


研修を使って、現場を「整える」

ここまで見てきたように、
現場の混乱は「誰かを教え直せば解決する」
という話ではありません。

だからこそ、研修担当者が担う役割も、
「教えること」より「整えること」に近くなっていきます。


正直、すぐには変わらない

自己流というのは、長年の積み重ねです。

一度の研修で消えるものではありません。

ただ、

  • 話せる場がある
  • 判断の軸が見える
  • 困ったら聞いていい

この状態を作るだけで、
現場の混乱は少しずつ減っていきます。


まとめ|ベテランの自己流で現場が乱れる本当の理由

ベテランの自己流で現場が乱れる理由は、
誰かが悪いからではありません。

  • 暗黙のまま放置されている
  • 判断基準が共有されていない
  • 整える役割が曖昧

この積み重ねです。

研修担当者ができるのは、
正解を決めることではなく、整理すること

現場の空気を感じながら、
少しずつ言葉にしていく。

その積み重ねが、
研修と現場を、ちゃんとつなげてくれます!

研修内容を一度、整理してみませんか?

研修内容を整理するところから、一緒に考えるお手伝いもしています。

  • 何を教えるか
  • どこまでやるか
  • どう進めるか

研修を考える中で、
ここが曖昧なまま進んでしまうケースはとても多いです。

その結果、

  • 「伝えたつもりだった」
  • 「現場で行動が変わらなかった」

という声もよく聞きます。

まずは、今の研修内容や悩みを言葉にして整理するところからで大丈夫です。

まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。

この研修、どう組み立てればいいんだろう?

そう感じたタイミングが、見直しを始めるベストなタイミングです。

お気軽にご相談ください。

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