「伝えた」で終わらない研修へ。

DX入門研修を形だけで終わらせない方法|中小企業が今すぐできる設計5ステップ

  
\ この記事を共有 /
DX入門研修を形だけで終わらせない方法|中小企業が今すぐできる設計5ステ...

結論:DX入門研修は「知識」ではなく「現場での行動」から逆算して設計すれば、形だけで終わらない。

DX入門研修がうまくいかない理由はシンプルです。

それは、
言葉を学んで終わるからです。

  • DXの定義を説明する
  • 事例を紹介する
  • ツールを並べる

ここで止まると、
現場の業務は何も変わりません。

中小企業の研修担当者にとって本当に大切なのは、

「研修後に何が変わるのか」を設計すること

です。

この記事では、
DX入門研修を“やっただけ”にしないための考え方と、すぐに使える設計のコツをまとめてみました。


なぜDX入門研修は形だけで終わるのか

なぜDX入門研修はうまくいかないのか。

原因は大きく3つ―

  • 目的が曖昧なこと。
  • ゴールが行動になっていないこと。
  • そして、研修後のフォローがないこと。

まずはこの3つから整理してみていきましょう。


① DXの意味を説明して満足してしまう

DXと聞くと、多くの人が、
「デジタルを使って会社をより良く変えていくこと」と思い浮かべると思います。

これは間違いではありません。

ただ、現場で毎日の仕事を回している人にとっては、少しピンとこない言葉です。

現場が知りたいのは、

  • 紙の申請書は減るのか。
  • 二重入力はなくなるのか。
  • Excel管理は楽になるのか。

ここです。

言葉を知っただけでは、仕事は変わりません。


② ゴールが「理解」になっている

「DXを理解する」がゴールになると、
研修はどうしても講義中心になってしまいます。

スライドを見て、事例を聞いて「なるほど」と思って終わる。

しかし、理解と行動は別です。

たとえば、

クラウド管理のメリットを知っている。
でも、いまも紙で回している。

チャットの便利さを理解している。
でも、報告は口頭のまま。

この差が、実は一番大きい壁です。

知っていることと、
実際に使うことの間には、大きな距離があります。


③ 研修後の動きが設計されていない

DXは、一回の研修で終わるものではありません。

フォローがなければ、

  • 研修当日は「やってみよう」と盛り上がる。
  • アンケートの満足度も高い。
  • でも、翌週にはいつものやり方に戻る。

そんな流れになります。

資料は残っている。
けれど、業務は変わっていない。

これでは、研修はイベントで終わります。


DX入門研修の本当の目的

DX入門研修の目的は、
危機感をあおることでも、言葉を覚えることでもありません。

目的はシンプル。

現場で一つ、やり方を変えること。

です。

たとえば研修後、

各部署で「いま一番ムダだと思っている作業」を一つ書き出す。
その中から一つを選び、30日以内にデジタルに置き換えてみる。

ここまで決めて、初めて研修は意味を持ちます。

なぜなら、中小企業では
「大きく変える」よりも「一つ変える」ほうが現実的だからです。

実際の例で言えば、

毎月手書きで回している申請書を
Googleフォームにして自動集計にする。

部署ごとにバラバラに管理しているExcelを
クラウド上で一つにまとめる。

報告のたびに集まっていた打ち合わせを
チャットで共有し、必要な人だけ確認する形に変える。

どれも派手ではありません。

でも、現場の時間は確実に減ります。

この「小さな変化」を一つ起こすことこそ、DX入門研修のゴールです。


形だけにしない設計の5ステップ

形だけにしないためには、

  • ゴールを決める
  • 現状を把握する
  • テーマを絞る
  • 実践を設計しする
  • 最後にフォローまで考える

この順番が大切です。

ここではもう少し上記についてもう少し詳しくみていきましょう!


ステップ1:ゴールを「行動」で決める

研修のゴールが
「DXの基礎を理解する」になっていると、内容はどうしても講義中心になります。

  • スライドで説明する。
  • 事例を紹介する。
  • 質疑応答で終わる。

一方で、ゴールを行動に変えると設計が変わります。

  • 悪い例
    「DXの基礎を理解する」
  • 良い例
    「各部署で1つ業務改善案を出す」
    「30日以内に1つデジタル化を試す」

ここまで決めると、
研修中にワークが必要になります。

  • 現状を書き出す時間。
  • 改善案を考える時間。
  • 実行期限を決める時間。

行動をゴールにすると、
内容は自然と具体的になります。

理解はゴールにはなりません。

行動になって初めて、研修は意味を持ちます。


ステップ2:現場の困りごとを出す

DXは、ツールの話から入るとうまくいきません。

先にやるべきことは、
現場の「困っていること」を出すことです。

たとえば、

  • 毎月同じ数字を何度も入力している作業。
  • 紙で回しているために確認に時間がかかる申請。
  • 集計に半日かかるExcel管理。

こうした声が出てこないまま、システムやアプリの紹介をしても響きません。

なぜなら、
人は「便利そう」では動かないからです。

「このムダをなくしたい」と思えたときに、はじめてデジタルの話が意味を持ちます。

困りごとが見えていない状態では、DXはただの道具選びになります。


ステップ3:テーマを1つに絞る

DXを進めるとき、
あれもこれも変えようとすると、ほぼ失敗します。

  • 勤怠も変えたい。
  • 営業管理も見直したい。
  • 研修管理もデジタル化したい。
  • 経費精算も効率化したい。

気持ちは分かります。
でも同時に動かすと、現場は混乱してしまいます。

まずは一つに絞るのがポイント。

たとえば―

毎月時間がかかっている「勤怠」だけを見直す。
二重入力が多い「営業管理」だけに集中する。

テーマを一つにするだけで、
議論も決定も早くなります。

小さく始めて、うまくいったら広げる。

この順番が、結果的に一番早い方法です。

広げるのは成功してからで十分なのです。


ステップ4:その場で小さな設計をさせる

DX入門研修でも、ワークは欠かせません。

話を聞くだけでは、
現場に戻ったときに何も始まりません。

たとえば、

「いま紙でやっている業務を一つ書き出してください」
「それをデジタルに置き換えるなら、何が使えそうですか?」
「30日以内に試すなら、誰が担当しますか?」

ここまで考えてもらいます。

ポイントは、
“いつかやる”ではなく“誰がいつやるか”まで決めることです。

この時間がなければ、
研修は知識の共有で終わってしまいます。

設計まで踏み込んで、
初めて行動につながります。


ステップ5:30日後フォローを入れる

DXは、一度やって終わりではなく、続けてこそ意味があります。

そのために、30日後のフォローを最初から設計します。

たとえば―

  • 30日後に進捗を確認する場をつくる。
  • 実際に変えられた事例を社内で共有する。
  • うまくいかなかった点を整理し、次の改善につなげる。

ここまで決めておくと、
研修はイベントではなく、プロジェクトになります。

フォローがあるだけで、
「やらなくては」から「やってみよう」に変わります。

30日後を設計して、
やっとDX入門研修は完成するのです。


中小企業で起きやすいDXの誤解

DXが進まない理由は、技術不足ではありません。

  • 高額な投資が必要だと思い込んでいる
  • 大きなシステム刷新を前提にしてしまう
  • IT部門だけの仕事だと考えてしまう

こうした思い込みが、実はブレーキになっています。

では、具体的にどんな誤解が多いのでしょうか。

中小企業で特によくある3つを整理してみましょう。


誤解1:大きなシステム導入が必要

DXと聞くと、
“大規模なERP導入”や”高額なシステム刷新”を思い浮かべがちです。

しかし、それだけがDXではありません。

たとえば―

  • 紙で回していた申請をフォームに変える。
  • バラバラだったExcelをクラウドで共有する。
  • メール中心の連絡をチャットに切り替える。

こうした小さな改善も立派なDXです。

いきなり大きく変える必要はなく、まずは一つ、業務を楽にすることから始めれば十分です。


誤解2:若手がやるもの

DXはデジタルの話だから、
若手やITに強い人がやるものだと思われがちです。

しかし、実際に一番重要なのは管理職の理解です。

なぜなら、業務の進め方を決めているのは管理職だからです。

たとえば―

  • 報告の方法を変える。
  • 承認の流れを簡略化する。
  • 会議のやり方を見直す。

こうした決定ができるのは、現場のリーダーです。

若手が提案しても、
上が動かなければ変わりません。

DXは技術の問題というより、決める人の問題なんです。


誤解3:IT担当だけの仕事

誤解2でも伝えましたが、
DXはIT担当に任せるものだと思われがちです。

しかし、DXはシステム導入ではなく、業務改善です。

  • どこにムダがあるのか。
  • どこが二度手間になっているのか。
  • どの作業が時間を奪っているのか。

それを一番よく知っているのは、現場で仕事をしている人。

IT担当だけでは、業務の細かい流れまでは分からないものです。

だからこそ、
業務を知っている人が主役になる。

DXは、システムの話ではなく、仕事のやり方を見直す話なんです。


DX入門研修に入れるべき3つの内容

DX入門研修に“難しい理論”“大量のツール紹介”は必要ありません。

なぜ今DXなのかという背景を共有し、現実的な成功事例を示し、その場で考えるワークを入れる。

この3つがあれば、入門研修としては十分です。

ここではもう少し具体的に3つの内容をみていきましょう!


① なぜ今DXなのか

なぜ、いまDXが求められているのでしょうか。

よく出てくるのが「2025年の崖」という言葉。

経済産業省が公表した「DXレポート」で示された考え方で、

古いシステムを使い続けることで、企業の競争力が下がる可能性がある

という問題提起です。

たしかに、無視できない話ではあります。

しかし、不安をあおるだけでは現場は動きません。

「大変だ」と言われても、
明日から何を変えればいいのかが見えなければ行動にはつながらないからです。

だからこそ、
危機感よりも先に、身近な業務改善の話が必要になります。


② 身近な成功事例

研修で紹介する事例は、大企業の話である必要はありません。

むしろ、規模の近い会社の取り組みのほうが効果的です。

売上何千億円の改革よりも、
従業員30人の会社の改善のほうが現実味があります。

たとえば、

勤怠管理をクラウド化したことで、
締め作業の時間が半分になり、残業時間が減った。

情報共有をチャットに切り替えたことで、
伝達ミスが減り、確認のための会議が減った。

このように決して派手な改善ではありません。

でも、想像がつきやすいですよね。

「うちでもできそうだ」と思えたとき、初めてDXは自分ごとになります。

等身大の事例こそ、入門研修では一番響きます。


③ その場での業務棚卸しワーク

入門研修でも、必ず手を動かしてもらいます。

聞くだけで終わらせない。
必ず書かせることが大事です。

たとえば、

  • いま時間がかかっている業務を一つ書き出す。
  • ムダだと感じている作業を挙げる。
  • 二度手間になっている工程を整理する。

ここまでやるだけで、
DXは他人事ではなくなります。

自分の業務に置き換えた瞬間、
研修の内容は記憶ではなく、課題になります。

この一手間で、定着率は大きく変わります。


DX入門研修の失敗例

DX入門研修がうまくいかないパターンは、ある程度決まっています。

  • 横文字が多すぎること。
  • ツール説明ばかりになってしまうこと。
  • そして、トップが関わっていないこと。

この3つは、失敗の典型です。

それでは、あなたの会社でDX入門研修が失敗しないためにも、もう少し具体的に見ていきましょう。


横文字が多すぎる

デジタル、トランスフォーメーション、クラウド、SaaS。

横文字カタカナが増えるほど、現場との距離は広がります。

意味が分からないわけではなく、ただ自分の仕事と結びつかないのです。

その結果、
DXは難しそうなものという印象だけが残ってしまいます。


事例が遠い

大企業の大規模な改革事例や、海外企業の成功ストーリー。

聞いているときは確かにワクワクして面白い。

でも、

  • 「社員数も予算も違う」
  • 「専任のIT部門がある」
  • 「うちとは規模が違う」

そう感じた瞬間に、自分ごとではなくなります。

すごい話ではあった、
けど、自社でどう始めればいいのかは見えてこない。

入門研修では、
遠い成功より、近い改善のほうが効果的です。


経営層が参加していない

現場だけが受けるDX研修は、広がりにくいものです。

改善案が出ても、
最終的に判断する人が関わっていなければ前に進まないからです。

  • 承認の流れを変える。
  • 予算をつける。
  • 優先順位を決める。

こうした決定がなければ、現場は動きづらいままです。

DXは現場の工夫だけでは進みません。

トップが「やる」と決めて、初めて動き出します。


成功するDX入門研修の条件

DXを成功させるために必要なのは、特別な仕組みではありません。

トップの一言、小さな成功体験、そしてそれを共有する文化。

この3つがそろうと、組織は動き始めます。

失敗例がわかったところで、
次はDX入門研修を成功させる条件を見ていきましょう。


1. 経営層が本気である

DXが進む会社には、共通点があります。

それは、経営層が本気であることです。

トップが

「まず一つ変えてみよう!」

と言うだけで、挑戦してもいい空気が生まれます。

なぜなら、優先順位がはっきりするからです。

今まで後回しにされていた改善が、
「やっていいこと」に変わります。

挑戦しても責められない。
うまくいかなくても次につなげればいい。

そんな安心感が生まれます。

トップの姿勢は、
何より強いメッセージになります。


2. 小さな成功体験を作る

DXは、いきなり大きく変えようとすると動きが止まります。

だからこそ、小さな成功体験が大切です。

たとえば、

  • 紙の申請をフォームに変えたら、集計時間が半分になった。
  • チャットに切り替えたら、確認の手間が減った。

こうした小さな変化が、
「やれば変わる」という実感につながります。

成功体験は、次の改善を生みます。

うまくいった経験があると、
もう一つやってみようという気持ちが生まれるからです。

DXは勢いではなく、積み重ねなんです。


3. 成功事例を社内で共有する

小さな改善は、共有してこそ意味があります。

  • 誰かがうまくいった事例を社内で伝える。
  • どの業務をどう変えたのかを具体的に共有する。

すると、「うちの部署でもできそうだ」という声が出ます。

一人の挑戦が、次の挑戦を生み、共有が続くと、
改善することが特別ではなくなります。

それが、改善が当たり前の文化につながります。


まとめ

DX入門研修は「知識」ではなく「行動」をゴールにする。

最後に整理します。

形だけにしないためのポイントは、

  • ゴールを行動にする
  • 現場の困りごとから始める
  • テーマを絞る
  • ワークを入れる
  • 30日後フォローする

DXは特別なものではありません。

小さな業務改善の積み重ねです。

中小企業こそ、
大きな変革より小さな一歩が合っています。

DX入門研修を企画する際は、

「理解させる」ではなく「一つ変えさせる」

を軸に設計してみてください。

空気は確実に変わります。



研修内容を一度、整理してみませんか?

研修内容を整理するところから、一緒に考えるお手伝いもしています。

  • 何を教えるか
  • どこまでやるか
  • どう進めるか

研修を考える中で、
ここが曖昧なまま進んでしまうケースはとても多いです。

その結果、

  • 「伝えたつもりだった」
  • 「現場で行動が変わらなかった」

という声もよく聞きます。

まずは、今の研修内容や悩みを言葉にして整理するところからで大丈夫です。

まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。

この研修、どう組み立てればいいんだろう?

そう感じたタイミングが、見直しを始めるベストなタイミングです。

お気軽にご相談ください。

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です