【中小企業向け】チームビルディングは本当に必要?意味ないと言われる理由と判断基準
結論|チームビルディングは「症状が出ている会社」には必要
チームビルディングは、すべての会社に必要な施策ではありません。
しかし、
・会議が長いのに決まらない
・部門間でギスギスしている
・報告が遅い
・責任の所在があいまい
・新人が孤立する
このような症状が出ている会社では、
ほぼ間違いなく必要です。
重要なのは
「やるべきかどうか」ではなく、
いまの会社に必要な状態かどうかです。
この記事では、
- 意味ないと言われる理由
- 必要な会社の特徴
- 判断チェックリスト
- 低コストで始める方法
まで整理してみました
チームビルディングが「意味ない」と言われる3つの理由

まずは、
現場でよく聞く本音から整理します。
- 前にもやったが変わらなかった
- その日は盛り上がったが翌週には元通り
- 業績とのつながりが見えない
忙しい中で時間を使ったのに、
何も変わらない。
この経験があると、
「またやるのか」という空気になってしまいます。
否定意見は感情論ではありません。
現場で起きた事実なんです。
では、なぜそうなるのでしょうか?
順番にみていきましょう。
① イベントで終わるから
よくあるのは、半日〜1日のワークショップ型研修です。
- グループワークで盛り上がる
- お互いの強みを発表する
- ポジティブな感想で終了する
ワークショップ型研修は、
その日は雰囲気が良くなります。
しかし翌週、
- 会議の進め方は変わらない
- 決定者は曖昧なまま
- 報告ルールも以前と同じ
結果として、
現場の行動が何も変わらない結果に。
楽しかったけど、仕事は変わらなかった。
これが最も多い失敗パターンです。
チームビルディングが“施策”ではなく“イベント”になってしまうと、効果は持続しません。
② 業績と結びつかないから
「雰囲気は良くなった。でも売上は?」
経営層が一番気にするのはここです。
例えば、
- 営業と事務の連携ミスが減ったのか
- 会議時間は短縮されたのか
- クレームは減ったのか
- 離職率は改善したのか
こうした具体指標と結びついていない場合、チームビルディングはただの“コスト”として見られてしまいます。
仲良くなること自体が目的になってしまうと、成果との接点がなくなります。
チームビルディングの目的が「関係を良くすること」だけで止まっていると、業績改善にはつながりません。
③ 経営層が変わらないから
心理的な安全性や連携の質は、管理職の言動に強く影響されます。
例えば、
- 意見を言った社員に対して否定的な反応をする
- 会議で結論を曖昧にする
- 責任を部下に押しつける
- ミスを公開で叱責する
この状態で、どれだけ現場向けにチーム研修をしても空気は変わりません。
特に中小企業では、
社長や部長との距離感が近く、
影響力は非常に大きいです。
上の姿勢が変わらない限り、
「結局いつもの会社」となってしまうんです。
チームビルディングとは何が問題で、本来何をするものか

チームビルディングが意味ないのではありません。
問題は、設計に落ちていないことです。
- 成果指標とつながっていない
- 会議や業務プロセスが変わらない
- 管理職の行動が変わらない
この状態では、どれだけ研修をしても現場は変わりません。
逆に言えば、
- 会議ルールを変える
- 役割を明確にする
- 決定プロセスを整える
- 管理職が行動を変える
ここまで踏み込めば、効果は出やすくなります。
チームビルディングの本質は、仲良くすることではありません。
仕事が回る状態を設計することです。
- 誰が決めるのか
- 誰が責任を持つのか
- どこで相談するのか
- どこまで報告するのか
この設計が曖昧なままでは、どんな優秀な人材が集まっても機能ないんです。
研究では効果はあるのか?
会社によっては、「本当に効果があるのか」という確証がなければ、予算が通らないこともあると思います。
特に中小企業では、感覚や雰囲気ではなく、データや根拠を求められる場面が少なくありません。
そこで、チームビルディングの効果について検証した研究データをいくつか紹介しておきます。
英語論文が中心になるため読むのは少し大変ですが、判断材料として参考になるはずです。
参考:SAGE Journals
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1046496408328821
チームトレーニングについても効果が確認されています。
参考:PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19292013/
また、チームの効果性を左右する要素として心理的安全性や役割の明確さが重要とされています。
参考:re:Work with Google
https://rework.withgoogle.com/intl/jp/guides/understanding-team-effectiveness/
ただし、やり方と条件次第で効果は大きく変わります。
チームビルディングが本当に必要な会社の5つの症状

チームビルディングが必要かどうかは、理論ではなく「現場の症状」で分かります。
日々の会議や報告の流れに、次の5つの違和感に当てはまるなら、チーム設計を見直すタイミングかもしれません。
①会議が決まらない
発言は多いのに、結論が出ない。
- 「一度持ち帰ります」で終わる
- 誰が最終判断するのか分からない
- 同じ議題が何度も繰り返される
会議時間だけが伸び、現場の業務が圧迫されている状態。
②報告が遅れる
問題が小さいうちに共有されない。
- クレームが大きくなってから上に上がる
- ミスを抱え込む
- 「言いづらい」が理由で報告が止まる
結果として、対応コストが何倍にも膨らみます。
③ 部門間で対立がある
営業は「事務が遅い」と言い、
事務は「営業が勝手に決める」と言う。
現場は「管理部門が分かっていない」と感じ、
管理部門は「現場がルールを守らない」と言う。
こんな症状がある場合、
問題は人ではなく、
役割や情報の流れの設計にあります。
④ 責任があいまい
「それは誰の担当?」が日常会話になる。
- 対応漏れが起きる
- 二重対応が発生する
- 最終責任者が不明確
責任の所在が曖昧だと、スピードも質も落ちてしまいます。
⑤ 新人が孤立する
教育担当はいるが、相談の流れが決まっていない。
- 質問する相手が固定されていない
- 忙しそうで声をかけづらい
- 暗黙のルールが共有されていない
結果として、成長が遅れ、早期離職につながってしまいます。
これらは個人の能力不足としてかたずけられることがよくあります。
でも、これらは「仕事の進め方、役割分担、意思決定の仕組み」といった
構造の問題なんです。
構造が整っていない限り、どれだけ優秀な人材がいても、同じ症状は繰り返されてしまいます。
チームビルディングが不要な会社と、必要かどうかの判断基準

チームビルディングは決して万能ではありません。
状況によっては、別の打ち手が先になります。
チームビルディングが不要なケース|やると失敗する会社
次の状態では、チームビルディングより先に整えるべきことがあります。
- 業務が完全に属人化している
- 評価制度への不満が集中している
- 人の入れ替わりが激しい
- 業務量が明らかに過多
この状態でチームビルディングを行っても、
根本原因が別にあるため、効果は出にくくなります。
まずは業務整理や制度設計の見直しが優先です。
【3分診断】あなたの会社は本当に必要?
次の項目でYESが3つ以上ある場合、
チーム設計の見直しを検討するタイミングです。
- 会議で決定者が不明確
- 部門間で情報が止まる
- 問題共有が遅い
- 引き継ぎミスが多い
- 同じトラブルが繰り返される
- 役割定義があいまい
- 上司への報告が心理的に重い
- 新人の離職が早い
- 会議時間が長い
- 「言いにくい」が口癖になっている
これらは個人能力ではなく、構造の問題である可能性が高いです。
中小企業が低コストで始める方法と実例
大規模な研修は必要ありません。
まずは、日々の仕事の進め方を整えることから始めます。
最初にやる4つのこと
大がかりな研修よりも、日々の仕事の進め方を整える方が効果は出やすいです。
チームビルディングはイベントではなく、設計の見直しです。
まずは次の4つを整えるだけでも、現場の空気は変わります。
- 役割を明文化する
- 決定者を明確にする
- 会議ルールを統一する
- 月1回の振り返りを行う
これだけでも、空気は変わります。
よくある質問
ここまで読んで、「やるべきかどうか」は何となく見えてきたのではないでしょうか?
ただ本当に大事なのは、
チームビルディングをやるかどうかではありません。
いまの組織のどこにズレがあるのか。
それをどう整えるのか。
最後に、もう一度だけ整理してみましょう。
何人から必要?
人数ではなく、仕事の“つながり方”で決まります。
たとえば、
- 営業と事務が常に連携している
- 現場と管理部門の情報共有が多い
- プロジェクト単位で動いている
このように相互依存が強い場合、10名以下の会社でも必要です。
逆に、業務がほぼ個人完結型であれば、人数が多くても優先度は下がります。
1日研修で変わる?
単発研修だけで行動が定着するのは難しいです。
研修で気づきは生まれますが、
- 会議ルールが変わらない
- 役割定義が曖昧なまま
- 決定プロセスが以前と同じ
この状態では、数週間で元に戻ります。
変化を定着させるには、
日常業務の設計に落とし込むことが必要です。
オンラインでも可能?
可能です。
ただし、雑談や空気感が生まれにくいため、
- 発言ルールを明確にする
- 順番を決める
- チャットの使い方を決める
など、対話設計がより重要になります。
対面以上に「仕組み」でカバーする意識が必要です。
まとめ|イベントではなく「設計」を変える
チームビルディングは流行りの施策ではありません。
やれば良くなるものでも、
やらなければいけないものでもありません。
判断基準はシンプルです。
相互依存が強く、
連携ミスや意思決定の遅れが起きているかどうか。
もし、
- 会議が決まらない
- 報告が遅れる
- 部門間で対立がある
- 責任があいまい
- 新人が孤立する
このような症状があるなら、
問題は人ではなく構造にあります。
必要なのは仲良くなることではありません。
- 誰が決めるのか。
- 誰が責任を持つのか。
- どこまで報告するのか。
仕事が回る仕組みを整えることです。
イベントでは変わりません。
設計が変われば、空気も成果も変わります。
チームビルディングをやるかどうかではなく、
チームの構造を見直すかどうか。
その判断が、組織の未来を分けます。
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