研修準備チェックリスト|会場・オンラインで失敗しないための完全版
【結論】研修準備は「仕組み」にすればミスはゼロにできる
研修をつくろうとすると、テーマは広がるし、資料は増えるし、
本当にこれで伝わるのかな…
と不安になりますよね。
実は、研修がうまくいくかどうかは、
当日の進行よりも“準備の段階”でほぼ決まる
と言っても良いくらいです。
今回の記事では、
- 何から手をつけるべき?
- 会場って何をチェックすればいい?
- オンライン研修ってどこが失敗しやすいの?
こんな不安を解決するための、
会場研修・オンライン研修の両方を“抜け漏れゼロ”にできるチェックリスト
をまとめてみました。
読後には、「研修準備ってこんなに整理できるんだ」と安心してもらえるはずです。
是非最後まで読んでみてください。
第1章|研修が“準備で決まる”と言われる理由

研修の成果は、当日の話し方や進行よりも、実は“どれだけ準備できているか”で大きく変わります。
なぜ準備がそこまで重要なのか。
この章では、その理由をシンプルに押さえていきます。
理由①:目的が曖昧なまま始まると、内容がブレる
目的が決まっていない研修ほど、
- 「これも話した方がいいかも…」
- 「念のため、あの例も入れておこう…」
と、内容がどんどん増えていきます。
結果、受講者は “何が大事だったのか”がわからないまま終わってしまうんです。
理由②:準備が浅いと当日の説明がまわりくどくなる
目的が固まっていない研修は、当日話すときに説明が迷走しやすくなります。
- 例が思い浮かばず話が長くなる
- 説明順がバラバラになる
- 話しながら本題を見失う
こうした現象は、準備で「伝える順番」が整理できていないことが原因 です。
理由③:ワークや質問がその場しのぎになる
研修では“受講者がどれだけ参加するか”が成果を大きく左右します。
でも、準備が足りないと、
- その場で思いついたワークを入れてしまう
- 質問が用意されておらず説明が続くだけになる
といった状態になりがちです。
こうなると、受講者は「聞いているだけ」の時間が増え、主体的に学べなくなってしまいます。
理由④:時間配分が崩れ、最後が慌ただしくなる
時間配分が曖昧なまま研修当日を迎えると、
- 前半が長くなりすぎる
- ワークが削られる
- 振り返りができない
といった “研修あるある” が起こります。
研修の質は、実は 「どこに何分使うか」
つまり時間配分で大きく変わります。
時間配分に関しては下記の記事内(ステップ④)に詳しく書いているので是非みてみてください。
準備こそ研修の“土台”
研修は、当日の進行よりも
- 何を伝えるか
- どんな順番で伝えるか
- どの行動を身につけさせたいか
を準備の段階で固めておくことで、成功の確率が一気に高まります。
だからこそ――
研修設計は、当日より“前日まで”が勝負。
この章の内容を押さえておくだけで、研修づくりが格段にラクになります!
第2章|研修準備の全体像|まずこれを押さえれば迷わない

研修をつくるときに、最初につまずきやすいのが
「そもそも、何を教える研修なのか?」 の部分です。
テーマが曖昧だと、
内容が増えすぎたり、話が広がったりして、研修が迷走しやすくなります。
そこでこの章では、
研修テーマを“行動レベル”で決めるとすべてがスムーズになる理由 を、必要な部分だけシンプルにまとめます。
Point(主張)
研修のテーマは「どんな行動ができるようになれば成功なのか」で決める。
これだけで内容づくりの迷いが一気に減る。
まず決めたいのは「現場で何に困っているのか?」
難しく考える必要はありません。
研修テーマは、「いま現場で起きている困りごと」 から逆算するのが一番確実です。
例えば――
- 報告が遅く、後工程に影響が出ている
- 不明点があっても質問せず、そのまま作業を進めてしまう
- 仕事の優先順位がつけられず、時間が足りなくなる
こうした“現場で起きている現象”が、研修テーマのヒントになります。
テーマは“行動”で書くと迷わない
行動で書くと、研修内容が自然と見えてきます。
行動で書く例
- 「不明点があれば、その場で確認できるようにする」
- 「優先順位を自分で判断できるようにする」
- 「5分以内の報告が習慣になるようにする」
ここまで具体的なら、
何を伝えるか・どんな練習が必要か・どの順番で説明すればいいか が自動的に決まります。
逆に――
- コミュニケーション力
- 主体性
- プロ意識
などの“抽象語”のままだと、研修内容は全く決まりません。
課題整理や行動レベルへの分解については、すでに詳しく解説した記事があるので是非読んでおいてください。
第3章|会場研修チェックリスト(完全版)

会場で行う研修は、準備するものが多く、
「何から確認すればいいのか?」という不安がつきものです。
- 資料
- 備品
- レイアウト
- 機材
- 当日の流れ……
ひとつでも抜けると、進行が止まったり、雰囲気が悪くなったりしてしまいます。
そこでこの章では、
初担当者でも“これさえあれば大丈夫”と思える会場研修のチェックリスト をまとめました。
研修前日に焦らないためにも、ここでしっかり整理しておきましょう!
【会場準備:前日までに確認】
会場研修は、前日の確認をどれだけ丁寧にできるかで当日のスムーズさが大きく変わります。
特にこのチェックを押さえておくと、トラブルのほとんどを未然に防げます。
■会場レイアウト
- 机・椅子の配置
- プロジェクターの位置
- 電源の位置
- 登壇位置から画面が見えるか
■機材の動作確認
- PCとプロジェクター接続
- 音声の出力
- Wi-Fiの強度
- マイクのハウリング確認
- 予備ケーブルの有無
■資料関連
- 印刷枚数
- 講師用資料
- ワークシート
- ネームプレート
- 付箋・ペンなどの文具
■当日の導線
- 受付場所
- クロークの有無
- トイレの場所
- 休憩スペース
【当日のチェック】
- 会場オープン時間に合わせて到着
- 再度、音声・映像チェック
- 受付準備
- 講師との最終打ち合わせ
- ワークスペースの確認
ここまで確認できていれば、会場研修の準備は万全です。
当日は“伝えること”だけに集中できます。
次は、別形式の研修で気をつけるポイントを見ていきましょう!
第4章|オンライン研修チェックリスト(完全版)

オンライン研修は、一見すると気軽に始められそうですが、
実は会場研修よりトラブルが起こりやすい形式です。
なぜなら、オンライン研修は参加者全員がそれぞれ違う環境から参加している為、
- 音が聞こえない
- 映像が止まる
- 入室できない
といった“オンライン特有のトラブル”が発生しやすいからです。
ただ、こうしたトラブルの多くは、事前のチェックでかなり減らすことができます。
だからこそ——
オンライン研修は“事前準備の質”がそのまま当日のスムーズさにつながります。
ここでは、初担当者でも迷わないように、オンライン研修で必ず確認すべきポイントだけをシンプルにまとめました。
オンライン研修前の環境チェック
オンライン研修で起きるトラブルの多くは、この“環境まわり”で発生します。
ここを押さえておくだけで、当日の混乱をほぼゼロにできます。
ホスト側
- 回線速度(上り20Mbps以上が理想)
- マイクとカメラの動作
- バックアップPC
- 録画設定の事前確認
プラットフォーム設定
- Zoom / Teams のアップデート
- 共同ホスト設定
- 画面共有の許可
- チャット/ブレイクアウトルームの設定
資料の共有
- PDF化して事前配布
- 投影用スライド
- ワーク用テンプレ
オンライン研修開始直前チェック
- マイク・スピーカーの音量確認
- 背景の明るさ
- 画面共有テスト
- 音声入り動画がある場合の音チェック
オンライン研修は、会場研修とは違う種類のトラブルが出やすい分、
事前のチェックリストがそのまま“進行の安定性”につながります。
ここまで準備できていれば、当日の心配事はほとんどありません。
大切なのは、
「通信」「操作」「共有」この3つの不安を前日までに消しておくこと。
環境が整っているだけで、話す内容に集中でき、受講者も安心して参加できます。
この後の章では、OJTや現場育成で押さえるべきポイントも紹介していきます!
第5章|初担当者がつまずく“3つの落とし穴”

研修準備をしていると、
え、ここも必要だったの?
という抜け漏れが、どうしても出てきます。
特に初めて担当する場合は、同じポイントでつまずきがち です。
ここでは、現場で本当によく起きる“3つの落とし穴”を、できるだけわかりやすくまとめました。
落とし穴①|「準備しているつもり」で進めてしまう
前日までずっと準備しているのに、当日になって
- 「延長コードが足りない」
- 「資料が人数分ない」
など、細かい抜け漏れが起こるケースです。
多くの場合、
やることが頭の中に散らばっていて、順番と優先度が整理できていない
ことが原因です。
この落とし穴に落ちないための解決策はズバリ!
チェックリスト化が一番です。
- 備品
- 資料
- 会場レイアウト
- 時間配分
上記のようにリストにするだけで、抜け漏れがほぼゼロになります!
落とし穴②|“会場とオンライン”をごちゃまぜで考える
意外と多いのが
会場研修とオンライン研修の準備を同じ感覚で進めてしまう
パターンです。
しかし、この2つは必要な準備がまったく違います。
例えば――
- 会場 → プロジェクター、音響、座席配置、空調
- オンライン → 回線速度、画面共有、マイク設定、ブレイクアウトルーム
これを同じカテゴリとして扱うとどちらかの重要な準備が抜けやすくなる のが問題です。
つまり解決策は、形式ごとに準備を分けて考えることが大事なんです。(会場/オンラインでチェックリストを分ける)
落とし穴③|講師との共有不足
準備は完璧でも、
講師との情報共有が不足しているだけで研修の質は落ちtれしまいます。
講師は「どんな環境で話すのか」がわかっていないと、説明の仕方や強調ポイントをうまく調整できません。
最低限共有したい情報
- 会場写真(部屋の広さ・受講者との距離感)
- 当日の流れ(開始 → ワーク → 休憩 → まとめ の順番)
- 受講者の属性(職種・経験年数・研修への期待)
これらを共有するだけで、講師の準備精度が上がり、研修全体の“伝わりやすさ”も大きく変わります。
3つの落とし穴を避ければ、研修の完成度が一気に上がる
初担当者がつまずきやすいのは、
- 準備の整理不足
- 形式の混在
- 講師との情報共有不足
この3つです。
でも逆に言えば、
ここだけ押さえておけば、研修は驚くほどスムーズに進みます。
迷いなく進められる状態をつくるためにも、この章の内容はぜひ押さえておいてください!
第6章|当日の動き|担当者の“理想タイムライン”

当日は想像以上に時間が早く過ぎます。
だからこそ、「何分前に、何をするか」 をあらかじめ決めておくと、気持ちに余裕が生まれます。
ここでは、初担当者でも迷わず動ける 当日の理想的な流れ を時系列でまとめました。
開始60分前|まずは“環境を整える時間”
会場に到着したら、最初にやるのは落ち着いて全体を整えることです。
- 会場に入り、空調や照明を確認
- プロジェクター・スクリーンの位置確認
- マイクやスピーカーの電源チェック
- 机や椅子の配置を最終確認
このタイミングで環境を整えておくと、あとからバタバタ修正する必要がなくなります。
開始30分前|人の動きが出始める時間
次に、講師や参加者が少しずつ集まり始めます。
ここからは人に関わる確認が中心です。
- 講師と当日の流れを最終確認
- 休憩のタイミングや時間配分をすり合わせ
- 受付を開始し、参加者対応に入る
- 質問が出そうな人には軽く声かけ
この時間に講師と話しておくことで、当日のズレや言い間違いを防げます。
開始10分前|“動作チェック”の最終段階
ここでは、実際に使うものだけ をチェックしましょう。
- 投影スライドを実際に映して確認
- 画面が切れていないか、文字は読めるか
- マイクの音量・ハウリング確認
- 動画がある場合は音が出るかテスト
この時点で問題がなければ、ほぼ安心してスタートできます。
開始直前(約5分前)は新しいことはせず、落ち着いて始める準備に集中しましょう。
- 参加者が着席しているか確認
- 会場内の私語が自然に落ち着くのを待つ
- 講師に「もうすぐ始まります」と一言声かけ
- 自分も深呼吸してスタンバイ
この5分が落ち着いていると、研修全体の雰囲気も自然と良くなります!
当日の動きが決まっていると、研修は驚くほどラクになる
当日は想定外のことが起きがちですが、
動く順番が決まっていれば、焦らず対応できます。
- 60分前:環境を整える
- 30分前:人の動きを確認
- 10分前:機材を最終チェック
- 5分前:落ち着いて待つ
この流れを押さえておくだけで、担当者は“進行役”ではなく、安心して場を支える存在 になれます。
研修内容を一度、整理してみませんか?

研修内容を整理するところから、一緒に考えるお手伝いもしています。
- 何を教えるか
- どこまでやるか
- どう進めるか
研修を考える中で、
ここが曖昧なまま進んでしまうケースはとても多いです。
その結果、
- 「伝えたつもりだった」
- 「現場で行動が変わらなかった」
という声もよく聞きます。
まずは、今の研修内容や悩みを言葉にして整理するところからで大丈夫です。
まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。
この研修、どう組み立てればいいんだろう?
そう感じたタイミングが、見直しを始めるベストなタイミングです。
お気軽にご相談ください。